1009 マンダラチャートFX ⑧市場意識の集中するポイント 其の二
チャートの中で意識される『9つ』のポイントは、
言わば売り手と買い手がぶつかり合う戦場です。
そのポイントをそれぞれ詳しくご説明していきましょう。
①ラウンドナンバー
それはキリの良い数字のことであり、
誰しもが目につく数字です。
機関投資家の目標やオプションの設定にも使われます。
なぜ中途半端なポイントが機能しないのか?
敵に狙われると分かっていながらわかりやすい数字に損切りを設定するのか?
それは、
敵が多ければ自分の損切りもそのポイントで全部処理してもらえるからです。
大口の投資家は、ポジションサイズが大きく、エントリーしたときの影響も大きいですが、
損切りしたときの影響も大きい。
場が薄い(=敵が居ない)ところでは、自分のストップロスが全部処理しきれず、
一部含み損を抱えたままさらに反対方向にずるずるいってしまうのです。
だからキリの良い数字は、エントリーするときにも、損切りするときにも機能しやすい。
機関投資家も『しかたなく』キリ数を利用している。
私たちは相場を動かす力はありませんから、それに乗るしか無いわけです。
②意識されているレベル、ギャップ
相場は意図的な発言やギャップによって行動が促される場合があります。
ギャップは物理的に生まれた真空のゾーン。
別の章でお伝えしましたが、ギャップ(=窓)は、
ほぼ埋めます。相場は売り手と買い手の合意で作られますので、
売り手(=または買い手)無しに空白が生まれることはありません。
週明けや、突然のニュースにより一方の力で空白が生まれたとしても
必ず反対売買が発生し、いずれ埋められるのです。
昔はありませんでしたが、中央銀行、政府が為替に対して直接発言することも多くなってきました。
それは非常に強い、その国の意思として相場に反映されます。
中央銀行に逆らっても良いことはないからです。
しかし、市場の意思は一国の意思よりも強いため、その効果は一時的です。
直近ではスイス中銀の上限設定などですが、それも破られ、結局はパニックになってしまいましたね。
こういったポイントも売り手と買い手の戦いの場となります。
③抵抗ライン
④サポートライン
⑤トレンドライン
キリの良い数字ではなくても、みんなが意識する場所があります。
トレンドライン、レンジなど、相場のランダムな動きによって生み出されるポイント、ゾーンがあります。
※参考:無料レポート『シンプルトレードのススメ ③-1 相場はランダムである』
相場はランダムです。
規則正しいように見えるチャートでもそれは偶然の産物であり、
人間の脳はそこに規則性を見出してしまいます。
その規則性、ポイントを多くの人が認識すれば、機能するようになるのです。
具体的に意識されるレベルとはどこか?
人間は『3点以上』で結ばれたポイントを方向性、もしくは何かの意思として認識します。
しかしそこには人によっていろいろな方向性を見出しますので、次のランダムが発生するのです。次のランダムが確定するのは4点目が出来た時だけ。
上記の流れはどうにでも見えます。
だから、方向感は合っていても損をする人が出てくる。
それを学問として研究したものが、カオス理論、プロスペクト理論、ランダムウォーク理論などと呼ばれるものですが、私たちはそんなものを勉強する必要はありません(笑)
応用編、展開編で、図解説明しながら詳しくご説明いたしますが、
ここでは、
ランダムな中に多くのトレーダーは方向性を『勝手に見出す』ということを覚えておいてください。
『じっくり方向感が出るまで、待った方がいい』
と良く言われますが、
その真意は、
じっくり、みんなが意識するポイントが出来上がるのを確認したほうがよい、
そういった要件がひとつでも多い場所を待つという意味なのです。
相場は常に3つの点と、次の未確定な4点目がどこになるか『疑い』ながら進むもの。
たとえ4点目が出来たとしても、②が①になり、③が②になり、今出来上がった④点目が③となり、次なる④を探す旅に出るのです。
直近で意識されるレベルは①ー③のライン。
これがほぼ水平であれば上値の抵抗ラインや下値のサポートラインとなり、
上図のように斜めであればトレンドラインとなります。
トレンドラインがなかなか機能しない理由もここにあります。
トレーダは①~④を重要視してこの図にアップトレンドを見出しますが、
それは、単なる水平の注目レベルの集まりの場合が往々にしてあります。
水平の力のほうが強い(=斜めの線はどこにでも存在しうるため、人間の脳は認識しづらい)ので
なかなかトレンドラインは機能しません。
上ヒゲ、下ヒゲで簡単に破られてしまうことがあります。
重要なのは④が確定するかどうかを『疑って』、なるべく根拠を集めて③で買っていくこと。
根拠とは、その注目のポイントでのエントリー要因が、一つでも多くあること。
トレーダーは常に目標とするポイント、数字(=価格)がある。
それはエントリーしたい場所もしくは利確、損切りしたい場所となります。
ですから、その途中の中途半端な場所で自分だけ戦おうとしても、味方は居ないのです。
コメント